のれん

暖簾の種類について|加藤健旗店ブログ

投稿日:2019年2月22日 更新日:

暖簾を製作される場合にインターネット等で調べられていると、色々呼び方に種類があって何暖簾にするべきかわからなくなってきた、とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

暖簾は、使う目的によって呼び方が変わります。
例えば、店舗のれん、楽屋のれん、湯のれん、間仕切りのれん等です。

ここまでは名前から用途がイメージ出来るので分かりやすいかもしれませんね。
これらの暖簾にはそれぞれ、生地や染色方法について留意点がありますので、詳しくは、「オーダーメイド暖簾の製作時のポイント」で説明させて頂きます。

暖簾の種類(形)についてプロが解説!

今回は、形による呼び方の違いとそれぞれの目的、(値段の相場)、製作時のポイントを紹介します。
暖簾の形による呼び方には以下のようなものがあります。

  • 長のれん
  • 半のれん
  • 水引のれん
  • 日除けのれん

その他に、「のれん」という呼び方はしませんが、「タペストリー」や「吊り下げ旗」といったものも少し似た目的で使用されることがありますので、後程紹介させて頂きたいと思います

長のれんとは

長のれんは、一般的に丈が160cmのものとされていますが、腰丈以上の長さのものを指し、のれんを「分けて入る」程度の長さのものというイメージを持って頂ければ良いと思います。
店舗や屋内にのれんを掛ける際に長のれんを選択する目的としては以下のようなことが考えられます。

  • ・間仕切りや目隠し、日除けとしても利用できる
  • ・店舗の場合、長さを利用して店の看板や広告の役割として使える
  • ・インテリアとしてのデザイン性など、描かれる文字や印によって様々な使い方が可能

また、留意点としては、店舗の場合、店内が外から見えづらいという点があげられると思います。ただし、この部分は目的によってはメリットにもなり得ますので、目的に合わせて検討されるのが良いと思います。

半のれんとは

半のれんは、一般的には丈が56cm程度のものとされ、暖簾を「くぐって入る」程度の長さのイメージのものです。 店舗のれんとして使用する場合が多く、最大の目的としては、店内を極力見えるようにすることでお客様に店内の様子を伝えることができ、集客に効果を発揮します。

水引きのれんとは

水引きのれんは、丈が40cmほどのものを軒先いっぱいに張ったもので、装飾や屋号を見せる媒体、店舗のデザイン性を高めるものとして使用されることからこの呼び名になったとされています。 また、一般的に店舗のれんが営業中だけ掛けられているのに対して、営業時間外でも掛けたままになるため、シャッターが閉まっていても店の存在を宣伝する効果があります。

日除けのれんとは

日除けのれんは、大風呂敷のような1枚の布の上下に棒を通し、上端を軒先に、下端を地面付近で固定したもので、日除け幕とも呼ばれます。 その名の通り店内を日光から守る役割を果たす他、大きさとその存在感を利用して看板としても使用されます。
屋外で使用されるものであるため、大きいサイズになるほど強度が必要とされ、使用する生地も厚めでしっかりとしたものを選ぶ必要があり、染色方法も日光堅牢度の高い方法で選択する必要があります。

またデザイン等によって、雰囲気をガラッと変えることも出来ます。

タペストリー、吊り下げ旗について

「のれん」と似た使い方をされるもので、タペストリー、吊り下げ旗といった呼び方のものがあります。

タペストリーは、壁に掛けて使われる室内装飾用の織物の一種で、現在もインテリアや、用途が広がって店舗の広告としても多く使用されています。元来は綴れ織り(つづれおり)の織物のことを指しましたが、現在では綿や麻、化学繊維を使って、希望するデザインを表現することで、室内装飾としてや、集客の目的で使用されています。
上下に棒を通して、壁や窓に吊り下げる使い方になります。

こちらは吊り下げ旗のご使用例です。屋根の横や軒下に吊り下げてお店の存在や、業種を伝える役割を果たします。

デザインや生地によって、お店の雰囲気を伝えたり、店舗のデザインの一部にもなります。

様々な形に適応する暖簾

ここまで、暖簾の代表的な形ごとの呼び方について説明させて頂きましたが、掛ける場所や、目的、デザインのイメージによって、型にはまらず様々な形態に対応することが出来るのも現在の暖簾の特徴です。

代表的な形態にこだわらず、信頼できる業者に設置場所、デザインのイメージ、予算などを伝えて相談することで作りたい形が見えてくる場合もあります。

暖簾の値段の相場

暖簾の値段は生地、染色方法、サイズ、デザイン(複雑さ)、仕立て方などによって変わります。一部、昇華転写捺染やインクジェット印刷という方法であれば、ほとんどサイズで値段が決まってきますが、使用できる生地が限られますので、デザインイメージを業者に伝えて、製作方法をお決めになられることをおすすめします。

よろしければ、「オーダーメイド暖簾の価格の決まり方と相場について」という記事も参考にしてみてください!

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