のれん

オーダーメイド暖簾の価格の決まり方と相場について

投稿日:2019年1月24日 更新日:

オリジナルの暖簾をオーダーメイドで作りたいという方は多いですよね。

ただ、暖簾の価格の決まり方や相場について、ばっちり理解しているという方は少ないのではないでしょうか。

今回は、オリジナル暖簾、特注のれんをオーダーメイドで作る時に役立つ価格の決まり方についてご案内します。

オーダーメイド暖簾の価格を決める要素は大きく3つ!

暖簾をオーダーメイドで制作する際、価格を決める要素として大きいのは、下記の3つの要素が重要になります。

  • サイズの大きさ
  • デザインの複雑さ
  • 生地の素材

暖簾の価格を決める3つの要素

特に難しく考える必要はなく、上図のグラフを見たままで、

サイズが大きい暖簾ほど高い。
凝ったデザインの暖簾ほど高い。
良質な生地を使うほど高い。

ということを、覚えておきましょう。

オーダーメイド暖簾の相場はピンキリ!予算に合わせて選ぼう!

「オーダーメイド」と名前のつくものは、価格はピンキリですが暖簾も同じ。
安いものなら1万円をしないものからありますが、しっかりとしたものを作ろうと思うと10万円以上することも。

迷った時は、まずは予算から業者に相談してみると良いでしょう。
いきなりお金の話かと思われるかもしれませんが、業者としても上限金額がわかっている方が提案をしやすいというものです。

あとは、使用場所や使用目的について、きちんと想定しておくことが重要です。

参考:暖簾の価格・制作例について

使用場所と使用目的で変わる暖簾の種類

同じ暖簾でも、用途によって最適なものは変わってきます。

使用場所は屋内?屋外?

例えば、使用場所は屋内なのか屋外なのか。
屋外で使う『日除けのれん』『店舗のれん』などは、多少の雨にも耐えられ、日光に長時間当たっても色落ちしないような素材・染色方法・耐水加工等をする必要があります。

使用する主な時間帯は昼?夜?

また、屋外で使う『店舗のれん』の場合、主な時間帯は昼間なのか夜なのかによっても、色合い等を考慮する必要があります。

水気や人が触る機会の多さ

屋内であっても、旅館で使う『湯のれん』など、水気を考慮した方がいい場合があります。また、人の出入りが多い場合などは、すぐに生地が傷まないように、丈夫な生地を選ぶことをお勧めします。

使用場所や使用目的によって、最適な暖簾の生地や染色方法は異なります。
自分がどんな暖簾を作りたいのか、ということをしっかり考えて見積もりを取る際に業者に相談しましょう。

暖簾の価格が決まる要素について

冒頭でも説明した通り、暖簾の価格が決まる要素は次の3つです。

  • サイズの大きさ
  • デザインの複雑さ
  • 生地の素材

一つずつ解説していきます。

サイズの大きさと価格について

当然ですが、生地が大きくなればなるほど、値段も高くなっていきます。
だいたいの業者で「横幅(巾)」×「縦幅(丈)」でサイズを測ります。表形式になっていて希望の大きさの値段がすぐわかるようになっているので、欲しいサイズが分かっていれば迷うことはないでしょう。

暖簾のサイズ別価格表

また、業者によっては、「のれんの切れ目の数(=巾数とも)」で値段が変わる場合もあります。見積もりの際に確認しておきましょう。

暖簾のデザインと価格について

暖簾のデザインで価格に関わる部分について解説します。

デザイン料、相談料、修正費用はかかる?

デザインについては、すでに決まっているという場合と業者と相談したいという場合がありますよね。
その際、デザインの相談料や修正費用がかかるのか、ということはしっかり確認しておきましょう。一度、デザインを決定した後、気持ちが変わってデザインを変更したくなることも、かなりの割合であるので、そんな時にも無料対応してくれるのかを見積もり段階で確認しておきましょう。

デザインの色数

基本的に、たくさんの色数を使うほど、価格は高くなります。
暖簾の場合、「白背景+文字色1色」や「ベタ背景1色に文字色の1色」といった色構成が基本になります。ただ、用途等によって多くの色数を使うなら、費用が高くなるということも覚えておきましょう。

さらに、複雑なデザインや筆文字を再現しようとすると、写真製版という技術を使う必要があり、別途費用が発生することもあります。

『染め抜き』と『片面染め』

暖簾の染色方法には、裏地まで染まる『染め抜き』、裏地は白いままの『片面染め』があります。
基本的に『染め抜き』の方が価格が高くなります。使い分けとしては、お客さんが裏面を見る機会があるかがポイント。

お店の玄関や楽屋のれんなど、両面ともに目に入る機会があるものは『染め抜き』厨房と接客スペースを仕切る暖簾や物置などの目隠しに使う場合は『片面染め』がおすすめです。あとは、予算と相談して選びましょう。

暖簾の生地と価格について

暖簾の価格が決まる要素の中で、ある程度大きなウェイトを占めるのが生地の種類です。

生地の種類

用途によって生地の種類が変わります。代表的な生地の種類と簡単な解説は下記を参照。

化繊生地

トロマット

トロマットやポリエステルといった素材で作られる化学繊維生地。最大の特徴は安価なことで、さらに安価なプリント印刷で両面が印刷可能なこともあり、ノベルティ等の安価大量生産に向いています。(画像はトロマット)

帆布(帆布)

帆布(綿)

綿や麻で作られた厚手の布生地。最近ではエコバックなどにも使われます。丈夫で耐久性が高いのが特徴で、「日除けのれん」「店舗のれん」として屋外での使用したり、「湯のれん」などの人の出入りの際の摩擦がある場所でも長く使えます。

10番天竺(てんじく)

10番天竺

天竺木綿は、明治維新頃にインドから輸入された生地のこと。生地は分厚いですが、和の風合いを表現できます。適度に光を通すため、室内の「イベントのれん」などで使用すると明るいスペースを演出できます。

スラブ生地

スラブ生地

意図的に糸の太さをばらけさせ、独特の風合いが出るよう調整した生地です。見た目の雰囲気を活かして「楽屋のれん」にしたり、独特の肌さわりを活かして「湯のれん」等にすると面白いですね。

ターポリン

ターポリン

アウトドアのテント生地や登山用のアウター等にも使用される、極めて耐久性・耐水性に優れた塩化ビニール製の生地です。屋外に出しっ放しにするタイプの「日除けのれん」に使用するにはうってつけの生地と言えます。お値段は少しお高め。

麻生地

独特の風合い、手触りを実現する麻生地は暖簾においては高級素材に当たります。無地のままでも高級感があるため、屋号を小さく入れるだけで雰囲気が出ます。

価格の面では、麻やターポリンが高く、化繊系の生地は安くなります。
ただし、屋外で使う「日除けのれん」「店舗のれん」、摩擦の多い「湯のれん」などは、耐久力も考慮しましょう。修理や買い替えが多くなると、結果的に高くついてしまうことになります。

その他の暖簾の価格に影響があるポイント

どの暖簾業者に相談するにしても、大きく価格に差が出るのは、上記のデザインと生地です。
ただ、その他にも、若干、料金に影響が出るポイントがあるので紹介しておきます。

染色方法による価格の違い

暖簾の染め方によっても、価格に影響が出る場合があります。
染め方について簡単に説明します。

本染め

染料を使って染色する方法。
染料は染料同士を混ぜて新たな色を作れるため、微細な色表現が得意で、摩擦などにも強い暖簾ができます。

顔料捺染

顔料を使って染色する方法。
顔料は溶剤に溶けづらく、色彩表現の面で本染めに譲りますが、耐光性・耐水性に優れた屋外使用向けの暖簾を作ることができます。

本染め(写真製版)

写真製版を作成してデザインを可能限り緻密に再現する方法。
筆文字などの複雑なデザインの際に使用され、製版費用が必要になります。

プリント印刷

専用の機械を用いて染める方法。
方法によっては、上記より安っぽくなりいわゆるプリント感が出ますが、安価なのが魅力です。プリント印刷は「昇華転写」「インクジェット」などさらに細かく分かれます。業者によって対応できる範囲が違うので、サンプルを見て質感を確かめましょう。

染色方法による違いは以上です。
染色方法は業者によって得意としている分野が異なり、手染めにこだわっている業者からプリント対応のみの業者、どちらにも対応している業者がいます。暖簾の使用目的や予算感に応じて、染色方法を選ぶと良いでしょう。

『袋縫』と『乳付』の縫製方法の違い

暖簾上部にある棒に通す部分の縫製方法の違いで、価格に少し差が出る場合があります。

袋縫について

『袋縫』(「棒袋」とも)は関西風の仕立て方法で、暖簾上部に袋状の穴を作ってそこに棒をズボッと通します。

乳付について

暖簾の乳付部分

『乳付(ちつき)』(「共チチ」とも)は、暖簾上部に輪っかを幾つも縫い付け、その輪っかに棒を通していきます。

『乳付』の方が手間がかかる分、工賃が発生する場合があります。

生地への各種加工

オプションで生地に防炎加工や撥水加工等によって、追加費用がかかる場合があります。

防炎加工

防炎マーク

消防法によって、屋内施設で使用するのれんには、防炎加工を施すことが義務付けられていることがあります。見積もりの前に設置場所の規定を確認しておきましょう。

撥水加工

撥水加工

また、撥水加工を施すことで、綿系の生地でも水や汚れを弾くようになり、耐久性を上げることが出来ます。こちらも設置箇所や水や汚れがつく可能性を考慮に入れて、加工するか判断しましょう。

迷った時は信頼できる業者に相談しよう

ここまで暖簾の価格について、ご説明してきました。
だいたい、イメージがついてこられたでしょうか?

ただ、「どうしても費用感がわからない」という場合には、悩みすぎず信頼できる業者に相談してみましょう。

予算と使用用途、目的を話せば、あとは業者の方から提案をしてくれます。
もちろん、複数の業者に相見積もりを取るのもいいでしょう。その中で、最も魅力的な業者に依頼すれば納得感が高まります。

もし、業者探しから迷っておられるなら、当ブログを運営する京都の老舗『加藤健旗店』までお問い合わせください。
きっとご期待以上の暖簾をご提案させていただきます。

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