のれん

海外から店舗暖簾の製作依頼 期待に応える本物の暖簾

投稿日:2018年11月17日 更新日:

最近海外からも当店へ暖簾の製作依頼を頂くことが増えてきました。当店に足を運んでくださる海外のお客様は、本来暖簾が持っている独特の風合いを強く求めていらっしゃると感じており、期待されている「日本的な」雰囲気を持ったもの作りを意識して製作させて頂いています。例えば...

台湾からお越し頂いた、日本の宇治茶の販売店やカフェを台湾で数店舗経営されているお客様から暖簾の製作をご依頼頂きました。

最初は宇治茶のお店の店舗暖簾のご依頼でした。生地としては麻をご希望頂きましたが、麻にも種類が有り、お求めの雰囲気に合った生地を選定する必要があります。数種類の麻の生地を紹介させて頂き、最終的に提案させて頂いたのが瓦布(かわらふ)という生地になります。

瓦布とは文化財修復にも使われる生地です。

どういうことかというと、お寺の本堂の屋根などは、瓦を敷く前に土を敷き、その上に瓦を敷きますが、木の上では土が滑るため、滑り止めとして布を敷きます。その布が瓦布という麻の布であり、目の粗い麻が土が滑るのを止める役割を果たします。この目の粗い麻を暖簾の生地に使用することで独特の雰囲気を持たすことができます。

この生地に当店で職人がご要望の雰囲気に合わせて文字を書き、本染めで染色することで元来の暖簾の雰囲気を持った仕上がりにしております。

瓦布の暖簾(麻)

 

店舗暖簾は、色や生地を変えることで店の雰囲気を変えることが出来ます。季節によって変えることで、温かみや涼しさを表現するのに使われることもあります。今回は麻の暖簾とともに、より宇治茶をイメージし、かつ清涼感のある暖簾もご依頼頂きました。色見本を何度も見比べて協議させて頂き、繊細な色味を表現しています。

宇治茶販売店の暖簾

 

最後に珈琲店の暖簾をご依頼頂き、コクのある濃厚なイメージで、麻の太布に茶色の文字で表現しました。茶色の文字が生地と同化することが懸念点ではありますが、経験上、同化しない色味を選定して提案させて頂き、製作させて頂きました。

麻の太布に茶色の文字の暖簾

仕上がりを見て頂いた時に「本当に綺麗な作品だ」と言って喜んで頂けたことを嬉しく思います。今後も元来の雰囲気を持った暖簾というものを大切にしていくと同時に、新しいデザインを取り入れて、より洗練したものを製作してまいります。

-のれん

執筆者:

関連記事

暖簾とは/加藤健旗店ブログ

日本固有の文化である「暖簾(のれん)」の起源から、現在のように多様な使われ方をするに至るまでの歴史をご紹介します。何気なく暖簾を使っている方もこれから暖簾を製作するという方も、知っておくと見方が変わるかもしれませんので参考にしてみてください!

本染め(友禅染め)の楽屋暖簾

楽屋暖簾の生地の種類について

楽屋暖簾に使用する代表的な生地の種類をご紹介します。楽屋暖簾を製作する際にはどの生地を選択するかは重要なポイントとなるため、参考にしてみてください!

no image

テスト

半纏(はんてん)・法被(はっぴ)をオリジナルで作られる際に、安っぽくない風格のある仕上がりにしたい!という方は沢山おられる、というかほとんどの方がそのような思いをお持ちだと思います。 しかし、デザイン …

暖簾の種類について|加藤健旗店ブログ

暖簾の形による呼び方の違いや特徴についてご紹介。暖簾のオーダーをお考えの方は、ぜひ参考にしてください!

麻の生地を使った暖簾について

麻の生地を使った暖簾は独特の和の風合いを醸し出します。麻と言っても様々な種類があり、生地の選択によって全く違う雰囲気になります。麻の種類ごとのご説明と出来上がった暖簾の事例をわかりやすく紹介していますので、参考にしてみてください!

サイト内検索